コミュニティ・ウェルネス

現代の日本は世界一の高齢化社会で、日本政府も人生100年時代構想を掲げています。
日本では超高齢化社会に伴い、2025年には認知症患者は700万になると見込まれています。
また、厚生労働省の2017年(平成29年)「人口動態調査」のデータでは、肺炎の死亡数は約9万7000人で死因第5位、誤嚥性肺炎の死亡数は約3万6000人で第7位になっており、両者を足すと脳血管疾患(約11万人)を大きく上回り死因第3位となっています。
肺炎も私たち日本人の大きな健康リスクになっていることは、統計データからも明らかです。
飲み込んだ食事が誤って肺に入り、肺炎になります。
この誤嚥によって起きる肺炎を誤嚥性肺炎と呼ばれています。
日本人の死因の第3位は肺炎で、75歳以上の高齢者の肺炎の9割が誤嚥性肺炎なのです。
癌や心疾患などの大病を克服した高齢者だけでなく、大病せずに長生きしてきた高齢者にとって今、肺炎こそが最後のハードルになっています。

高齢者が誤嚥を起こしやすいのは、飲み込み時に反射的に気道を閉じる反応(嚥下反射)が衰えるためだ。残念ながら嚥下反射が衰えた場合、機能回復は見込めません。
嚥下反射に問題を抱える人ができる対策は、食事を飲み込むときの体位の工夫し、流動性の高い食事を与えることです。
嚥下反射に障がいがあることがわかると、経口ではなく、直接、胃に食事を送り込んだりすることもあります。
しかし、これでは高齢者の生活の質を下げます。
流動性の高い食事はおいしくないし、経口で食べれないとなれば、食事をする楽しみが奪われてしまいます。

カラオケで歌を歌うことには、高齢者にとって嬉しい効果が沢山あります。

・ストレスを発散できる
歌を歌うことでストレス発散ができます。

ストレスが発散されることで、自律神経や血圧が安定し、睡眠障害や高血圧が原因で起こる脳血管性認知症のリスクを軽減することができます。

・誤嚥防止になる
歌を歌うとき、人は自然と口を大きく動かします。

唇や舌など、口周りの筋肉を鍛えることで食べ物を喉に送り込む力が強化され、誤嚥防止につながるのです。

・音程やリズム、歌詞を読むことなどで脳が活性化する
歌を歌うときには音程やリズムを正しくとろうとします。

また、歌詞を読んだり、歌詞を思い出したりもするでしょう。
音程やリズムをとったり、歌詞を読んだり思い出したりすることで脳が活性化し、認知症予防や記憶力の向上につながります。

・口腔環境が整う
口をたくさん動かすことで、唾液の分泌が促されます。

唾液には口腔内の洗浄、抗菌、保護などする役割があり、分泌量が多ければ多いほど口腔内の環境が整うのです。

高齢者のQoLを高めるソリューション
MCSCCと益田市では、スマートシティ内での「コミニュティ・ウェルネス」のプロジェクト準備に向けてのワーキンググループでの検討会議を行ないました。
補完代替医療の補助ツールとして、地域社会の健康づくりを支え、使用できる音楽療養コンテンツです。
対象者(高齢者や障害者など)が興味を持ち、楽しみながら取り組むことができるため、こころと体の健康につながることが期待されます。
家族や地域の友人(コミニュティ)とおしゃべりしたり、カラオケで歌ったりする環境があると、食べる機能を維持する大きな力になります。
薬に頼る薬物療法だけではなく、非薬物療法の医学的な人に優しい確立が強く求められています。

株式会社エクシングと親会社であるブラザー工業株式会社は、国立大学法人三重大学 医学部・教育学部と共同で2010年4月から「カラオケが認知症に及ぼす効果」についての共同研究を開始しています。
2011年2月から8月の半年間で実施した臨床試験の中間報告をいたします。
三重大学医学部・教育学部との共同研究についての説明