2014年11月6日第4回ニッポン半導体再成長させる会(現ニッポンハイテク再成長させる会)でアーキテクトグランドデザイン株式会社の企画、日本初のカラオケ業界での第1期活動中のJOYSOUNDAMBASSADORSプログラムを発表しました。
当日の講演テーマ「カラオケこそ民間発の真クールジャパン、JOYSOUNDは世界トップレベルの映像エンターテイメントクラウドソリューショ~未来ビジネスに向けたソーシャルネットワーク活用事例~」でした。
第一期活動実績
卒業記念にぴったり!ドレス姿で春を感じるフォトジェニックなカラオケルーム登場!!
新時代のマーケティング手法「AMBASSADORS」、低迷する日本オリジナルの産業を再成長させるカギに
カラオケ・サービス「JOYSOUND」を運営するエクシング。
カラオケ市場の再成長を実現すべく、「AMBASSADORS」と呼ぶマーケティング手法を導入した。
熱量の高いファンをソーシャル・ネットワークで集めて組織化し、口コミなどで広報/宣伝する手法だ。
インターネットの普及によって、さまざまなモノやサービスが変貌を遂げた。
例えば、商品の販売方法や、音楽/映像ソフトの供給方法や、金融の決済方式、大学での講義など。
例を挙げればキリがない。
すべてはインターネットに飲み込まれて行く。
そして、そこで活動する人々は大きなインパクトを受けることになる。
シャオミの急成長を支える
当然のことながら、企業の広報/宣伝活動とて例外ではない。
これまで、新しい製品やサービスを開発した場合、それを拡販するにはテレビ・コマーシャルを作成し放送したり、新聞や雑誌に広告を掲載したりするのが常識だったしかし、インターネットの普及によって、この常識が音を立てて崩れ始めている。「AMBASSADORS(アンバサダー)」という新しい広報/宣伝活動の仕組みが徐々に広まりつつあるからだ。
AMBASSADORSとは、どのような仕組みなのか。
それは、一般の人々の中から、対象となる製品やサービスの熱量が高いファンやサポーターを選出し、その人たちが宣伝の担い手になるというものだ。
製品やサービスを口コミで広めたり、説明会を開催したり、イベントを開いたりすることなどで広報/宣伝活動を行う。
AMBASSADORSを利用するメリットは大きく2つある。
1つは、コストが極めて低いことだ。
テレビ・コマーシャルや新聞/雑誌広告であれば、1回当たり数十~数百万円のコストがかかる。
一方、AMBASSADORSのファンやサポーターはボランティアで参加してくれるため、コストを大幅に削減できる。
もう1つは、狙った層に確実に情報を届けられることだ。
例えば「20代前半の女性」をターゲットとする場合は、ファンやサポーターに20代前半の女性を選べば良い。
それらの人たちが核となり、周囲の友人や知り合いを巻き込んで広まっていくからだ。
テレビ・コマーシャルや新聞/雑誌広告は、一方的な情報発信に過ぎず、「20代前半の女性」をピンポイントで狙うのは難しい。
もちろん、テレビ・コマーシャルや新聞/雑誌広告には、ほかの広報/宣伝手法では真似できない大きなメリットがある。それはマスマーケット(一般大衆)に広く周知できることだ。
この点では、AMBASSADORSは不利である。
マスマーケットにリーチするには、極めて多くのファンやサポーターを確保しなければならないからだ。
しかし、「すでに、中国の大手携帯電話機メーカーである小米科技(シャオミ)は、AMBASSADORSの仕組みを利用することなどで、中国国内で急激な成長を遂げた」(アーキテクトグランドデザインファウンダ兼チーフアーキテクトの豊崎禎久氏)という成功例がある。
つまりAMBASSADORSの仕組みでも、進め方次第でもマスマーケットに近い領域にリーチすることが可能なわけだ。
カラオケに適用
新しい企業の宣伝活動方式である「AMBASSADORS」。日本国内でも、実際の宣伝活動に活用し、大きな成果を上げた企業がすでにある。
カラオケ・サービス「JOYSOUND」を提供/運営するエクシングだ。
このエクシングに対して、AMBASSADORSの手法を提案したのが戦略マーケティング企業のアーキテクトグランドデザイン(AGD)である。
その提案内容とは、企業やブランドに積極的に関与して自発的に発言し、推奨していく熱量の高いファンを、ソーシャル・ネットワークで組織化した「JOYSOUNDAMBASSADORS」を使って広報/宣伝活動するというものだ。
AGDの豊崎氏は、AMBASSADORSの手法を選択した理由として、「現在、カラオケは成熟産業と見られている。
時代とともに変化している社会とユーザー・ニーズを正しく把握できていないためだ。
しかし、工夫次第でまだまだ再成長が可能な魅力ある分野である。
当社では、社会とユーザー・ニーズの変化を的確に分析し、把握することで、日本で生まれたカラオケ・ビジネスを再構築し、世界市場に受け入れてもらえる『真のクール・ジャパン』として新しいビジネス・モデルを生み出せると考えている。
そこでAMBASSADORSの手法を使って、まずは社会とユーザー・ニーズの変化を的確に把握することから着手した」と説明している。
「撮影女子会」からスタート
それでは、JOYSOUNDAMBASSADORSの具体的な活動を紹介しよう。
最初に照準を定めたファン/サポーター層は20代前半の若者だ。
「かつてのカラオケにはダーティな印象があった。
密室であり、酒やタバコのにおいが充満しているというイメージだ」(豊崎氏)。
だからこそ、若者たちに敬遠され、カラオケ市場の伸びが鈍化する一因となっていたと言えるだろう。
「しかし、若者はカラオケ自体が嫌いなわけではない。
ユーザー・ニーズを把握し、それを基に改善すれば、再び市場が拡大するはずだ」(同氏)。
そこでエクシングが中心となり、20代前半の若者の中からカラオケに対する熱量が高いファンやサポーターをソーシャル・ネットワーク経由で募って、JOYSOUNDAMBASSADORSを組織した。
現在、AMBASSADORSの人数は数百人を数える。
ほとんどが大学生で、その内訳は女性が7割、男性が3割である。
その後、JOYSOUNDAMBASSADORSの中で、話し合いを重ね、1つの企画アイデアが生まれた。
それが、カラオケルームを可愛らしく飾り付けし、そこに参加者がドレスアップして入室し、カラオケを歌ったり、その姿を撮影したり、スイーツを食べたりするなどのイベントを開催するという企画である。
このイベントを実際にプロデュースしたのは、撮影女子会(http://satsueijoshikai.com/)だ。
撮影女子会が飾り付けた部屋を「HummingGirlsRoomwithJOYSOUND」と名付け、2014年12月21日(日曜日)に東京都港区のカラオケ店舗「JOYSOUND品川港南口店」でプレイベントを開催した。
さらに2015年1月17日(土曜日)と18日(日曜日)にも、同じくJOYSOUND品川港南口店でイベントを実施。
参加希望者は定員の4倍を超えた。
好評につき、1月31日(土曜日)、2月7日(土曜日)、2月8日(日曜日)にも同様のイベントをJOYSOUND品川港南口店にて開催し、多くの参加者を集めた。
「おじさん、おばさん」も巻き込む
開催されたイベントへの参加者は、新たなAMBASSADORSとなり、「HummingGirlsRoomwithJOYSOUND」やJOYSOUNDのカラオケの魅力を発信したり、推奨したりする担い手となる。
こうやってAMBASSADORSを確実に増やしていくことで、ターゲットとするユーザー層に的確にマーケティングしていくことが可能になるわけだ。
しかも、前述のようにコストは最小限に抑えられる。
ここで1つだけ確認しておきたいことがある。
それは、AMBASSADORSとなって活動する人々のモチベーションである。
AMBASSADORSには、エクシングから報酬は一切支払われない。
それなのになぜ、積極的に広報/宣伝活動に担い手になってくれるのか。
豊崎氏によると、「AMBASSADORSとして活動する人たちの意識レベルは極めて高い」という。
その理由は3つある。
1つは、参加者のほとんどが大学生であるため、就活(就職活動)の一部として捉えていることだ。
企業との関わり合いを作りたいと考える大学生は極めて多い。
2つめは、リアルな現場のバーチャルな体験を求めていることだ。
3つめは、マーケティング活動を学びたいという意識である。
従来であれば、企業のマーケティング活動に大学生が直接関与することは難しかった。
しかしAMBASSADORSの仕組みを活用すれば、大学生でも直接関与でき、いち早くマーケティングを学べるようになる。
今後AGDでは、AMBASSADORSの仕組みを適用するユーザー層を拡大していく考えだ。
「法人企業や、40代や50代の男性や女性、つまり、おじさんやおばさんを巻き込んでいきたい」(豊崎氏)という。
AMBASSADORSを使って日本国内のカラオケ市場を再成長させる仕組みを構築できれば、それ自体を東アジアや欧州といった新市場開拓に利用できるようになる。
新時代のマーケティング手法「AMBASSADORS」、低迷する日本オリジナルの産業を再成長させるカギに