第41回テーマ: NVIDIAショックで92兆円の時価総額消失
〜DeepSeekの登場でAI世界は戦国乱世に突入〜
第41回デジタル松蔭塾収録日 (02/01/2025)
AI要約
NVIDIAのAIビジネスへの脅威
デジタル松陰塾での議論の要約: 豊崎氏と中島氏は、中国のAI企業ディープシークの台頭により引き起こされたNVIDIAの株価急落について議論しています。ディープシークは、最先端の半導体を使わずにNVIDIAと同等以上の性能を実現し、従来のビジネスモデルを揺るがしました。
主なポイント:
– ディープシークのAIモデルはオープンソースで無料提供されており、既存のAIビジネスモデルに脅威となっています。
– 技術の「パクリ(蒸留)」という批判に対し、豊崎氏は過去の日本や韓国の半導体産業も同様のプロセスを経たと指摩しています。
– ディープシークの台頭は、最先端半導体に依存しないAI開発の可能性を示唆しています。
– 日本政府のディープシーク使用制限の呼びかけについて、豊崎氏は根拠の明確化と一貫した姿勢の必要性を指摘しています。 この事態は、AI業界のバブル崩壊の始まりと、技術開発の新たな方向性を示唆している可能性があります。
ソフトバンクグループのai投資計画
孫正義氏を代表とするソフトバンクグループ、オラクル、オープンAIの三者による「スターゲートプロジェクト」が発表され、アメリカのAIインフラ整備に約78兆円を投資する計画が明らかになった。この提携について、マイクロソフトの不在や孫氏の資金源、ソフトバンクグループの中国企業との関係など、様々な疑問点が浮上している。また、アームのライセンス料300%値上げの報道や、RISC-Vへの移行の動きなど、半導体業界の動向も複雑に絡み合っており、このプロジェクトの実現性やリスクについて懸念が示されている。
Armライセンス契約の影響
豊崎氏と中島氏は、1990年代の日本の半導体産業におけるARM社のライセンス契約の普及について議論しています。豊崎氏は、ガートナーのアナリストとして、日本の半導体メーカーにARMのアーキテクチャを採用するよう助言し、結果的に多くの企業がライセンス契
約を結びました。しかし、この決定には長期的なリスクもあり、自社ファブの維持が困難になる可能性があったと指摘しています。また、両氏は「日の丸半導体」という表現の問題点や、日本の半導体産業が自社の能力を正しく評価できなかったことについても言及しています。
NvidiaとTSMCの連合
スターゲートプロジェクトの展望は不透明です。豊崎氏は、プロジェクトが崩壊する可能性を示唆しています。インテルの参加は株価下落のリスクがあるため望ましくないとし、TSMCとNVIDIAの連合がプロジェクトの中心になると予想しています。オラクルの参加はデータセンターとソフトウェアの観点から説明されています。半導体業界全体が景気後退期に入っており、NVIDIAの経営陣による大量の自社株売却が指摘されています。豊崎氏は、半導体市場の実態と政治の力学を考慮すると、NVIDIAの適正株価はもっと低いと分析しています。