ドイツ・スマートビル&スマートシティ規格団体のリサーチ

ドイツから学んだテストベッドの大切さ

2015年IP500 アライアンス日本・アジアパシフィックプレジデントを務めていた豊崎氏だが、WirelessWireNews取材後の2016年2月には日本支部の活動を停止。同アライアンスに加入していた日本企業5社も既に脱退している。「IP500が提唱するコンセプトは素晴らしかったが、実現性がなかった。同規格対応した無線モジュールやゲートウェイ等の製品化される時期と実現性の見通しが立たないため、日本の会員企業と協議し脱退を決めた」という。
 
当時から豊崎氏が狙っていたのはスマートシティの規格作りだ。「世界で勝つIoT推進にはスマートシティの規格作りが重要。規格があればその上にさまざまなアプリケーションを載せられます。だが、我が国にはその動きがない。来るべき日本の高齢化社会問題を抱えた5万人規模の都市でPoCをやろうと、未来都市のコンソーシアムIoT益田同盟を立ち上げました」と豊崎氏は語る。メッシュネットワーク+LPWA(Low Power Wide Area)+FTTHのハイブリッド通信モデルを確立し、アジアなど新興国市場向けのプラットフォームを構築する。規格作りのために小さくテストベッドレベルから立ち上げるというやり方はドイツから学んだ。
エッジコンピューティングとネットワーク技術はAGDとオムロンが既に保有している。2017年5月にオムロン・慶応義塾大学と共に発表した「IoT PLANET HIGHWAY」がそれだ。ノードに環境センサーとエッジコンピューティング処理を内蔵したメッシュネットワーク(またはマルチホップ)と、LPWA技術を独自に最適化して数十kmの長距離伝送と低消費電力を両立したLPWA技術で、離れた拠点から信頼性の高い環境データを収集する。この技術を活かせる市場を作るためのテストベッドとして豊崎氏が選んだのが益田市だった。同市は、日本の2030年超高齢化社会が現実に今あり、山も川も海あり、日本が集約されている多彩な自然環境豊かなコンパクトシティーの中で実験が行える場所。
 
 
映像

 
 
IoT/M2M展イベント参加

 
 

 
 
講演
Design Solution Forum 2015
 
メディア掲載
・ 雑誌 経済界 2015年8月4日 No.1045 「モノとモノがつながる世界 IoTが導く革新 欧州発の規格を逆手に取ってハイテク産業再興を」 豊崎禎久(IP500アライアンスジャパン・アジア プレジデント)
IoT向け無線通信規格の欧州団体が日本拠点を設立、年内に30社の会員獲得目指す (日経xTECH)
IP500 Alliance Japanが日本初のIP500対応無線モジュールを初公開 (インプレスSmartGridフォーラム)
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