益田市水位路の水位モニタリング事業
大きな河川につながる水路。一般に、河川の上流に大雨が降ると、支流の川の水が水路に逆流し、水路が氾濫するというトラブルが発生します。島根県益田市は、高津川という一級河川を抱えており、この「水路の氾濫」という問題に頭を悩ませています。この問題の解決に乗り出したのがアーキテクトデザイン(AGD)とオムロン、シマネ益田電子(SME)です。
AGDはオーガナイザーの役割を果たすと同時に長距離伝送を低消費電力で実行できるLoRa方式を適用するLPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術を提供します。水路の推移を測定するのは、測定精度がきわめて高いオムロンの絶対圧センサーです。そして、SMEが絶対圧センサーに無線通信技術を組み合わせたIoTモジュールとゲートウェイにまとめます。
このIoTモジュールは十数個用意し、益田市内にある水路に取り付けます。絶対圧センサーが測定した水位データを、LPWAを介してSMEに設置したサーバーに集めて、それらのデータを使って氾濫の可能性を解析します。将来的には、その結果を益田市役所に送って、必要であれば益田市役所が住民に知らせる仕組みを構築する計画です。まさに「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」を実現するわけです。将来的にはAI技術を導入し、気象データなどと連係させることで、「どこの町で、何時何分に水路が氾濫する」といった警報を出すシステムへと昇華させる考えです。
すでにプロジェクトは始まっています。IoTモジュールは2017年6月中に設置する計画です。さらに、このIoTプラットフォームは、ほかのセグメントにも適用可能で、例えば世界でも最先端の「水道用スマートメーター」に導入される予定です。
簡易水位遠隔監視システム・益田市 (映像制作協力 株式会社オフィスタム)